2018年の南北雪解けムードの中で作られた、非武装地帯(DMZ)を歩くコースが14か月ぶりに再開した。新型コロナウイルス対策のため、当面は少人数での運営となる。
アフリカ豚コレラ(ASF)拡散を受け昨年8月から中断されていた、「坡州(パジュ)DMZ平和の道」が11月28日に再開された。同月30日、坡州市が明かした。
DMZとはDemilitarized zoneを略したもので、韓国では「非武装地帯」と称される。1953年7月の朝鮮戦争停戦協定により定められ、南北朝鮮を分ける軍事境界線(MDL)の南北それぞれ2キロの地帯に設置されている。入るためには基本的に国連軍事停戦委員会の許可が必要となる。

今回、再開された区間は臨津閣(イムジンガク)を出発し、臨津江の川辺を歩く生態探訪路と都羅山(トラサン)展望台、通門、撤去GP(韓国軍の哨所)を経て再び臨津閣に戻ってくるコースで、所要時間は3時間ほどだ。通常は20人を定員とするが、新型コロナウイルス対策のため当面は10人を定員とし運営される。
このツアーは2018年4月27日の南北首脳会談と『板門店宣言』などの合意を受け、19年8月にスタートしたが、わずかひと月でアフリカ豚コレラ発生のため閉鎖していた。
再開を受け坡州市のチェ・ジョンファン市長は同市が配布したプレスリリースの中で「世界で唯一の『坡州DMZ平和の道』での観光を通じ、遠くにしか感じられなかった北朝鮮がどれほど近いのかを感じ、統一と平和をもう一度考える意味のある時間を送ることを願う」とした。
著作権者 © The New Stance 無断転載および再配布禁止