「北朝鮮人口の48%が栄養欠乏状態、適正食事基準を満たす乳幼児は約29%」…国連機関明かす
「北朝鮮人口の48%が栄養欠乏状態、適正食事基準を満たす乳幼児は約29%」…国連機関明かす
  • 徐台教(ソ・テギョ) 記者
  • 承認 2021.01.28 18:10
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朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)人口の約48%が栄養欠乏状態にあると国連機関が明らかにした。乳幼児の多くも国連が定めた最低基準に満たない食事量にあることが分かった。
国連報告書『アジア・太平洋地域の食糧安全保障と栄養の概要』の表紙と内部イメージ。本紙作成。
国連報告書『アジア・太平洋地域の食糧安全保障と栄養の概要』の表紙と内部イメージ。本紙作成。

●「アジア・太平洋地域で最悪の数値」

今月20日、国連傘下の食糧農業機構(FAO)、世界食糧計画(WFP)、世界保健機構(WHO)、国際連合児童基金(UNICEF)は共同報告書『アジア・太平洋地域の食糧安全保障と栄養の概要(Asia and the Pacific Regional Overview of Food Security and Nutrition 2020)』を通じ、2017年から19年まで北朝鮮における栄養欠乏人口は約48%に達すると明かした。

この数値はアジア・太平洋地域で最も高いものだ。

報告書ではまた、北朝鮮の生後6か月から23か月までの乳幼児のうち「最少食事水準(Minimum Acceptable Diet、MAD)」以上の食事を取る割合は28.6%にとどまったとした。これは、乳幼児の70%以上が、国連機関が定める最低限の食事も取れていないことを示している。

また、上記月齢の乳幼児のうち「最少食事多様性(Minimum Diet Diversity、MDD)」を満たす割合は46.7%であるとした。これは、食事の中に一定以上の食品群が含まれているのかを評価する基準だ。都市では53%であるのに比べ、農村では37%にとどまっており格差が見受けられた。

さらに、「最少食事頻度(Minimum Meal Frequency、MMF)」を満たす割合は75.0%だった。この基準は、食事における量を評価するものだ。回数により判断される。

5歳未満の児童の「発育阻害(stunting)」の割合は19.1%で、35か国中16番目に低かった。主に栄養不良により起こるものだ。東アジアの平均値(4.5%)より低く、ベトナム(23.8%)など東南アジアの多数の国家よりは低かった。

やはり栄養不良により起こる症状である5歳未満の児童の「消耗症(wasting)」の割合は、2.5%と34か国のうち5番目に低い数値だった。また、過体重の5歳未満の児童の割合は2.3%と35か国中10番目に低かった。

他方、成人の過体重の割は2016年時点の統計で32.4%と、41か国中20番目に低い数値だった。これは2000年の約25%よりも高く、韓国の30.3%よりも高い数値だ。

また、生後6か月未満の乳児に対する「完全母乳育児」割合は71.4%と、35か国中4番目に高かった。


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