国際機関が北朝鮮に200万回分の新型コロナワクチンを供給
国際機関が北朝鮮に200万回分の新型コロナワクチンを供給
  • 徐台教(ソ・テギョ) 記者
  • 承認 2021.02.04 22:33
  • コメント 0
記事を共有します

北朝鮮が国際機関による世界的な新型コロナワクチン供給の一環として、人口の約8%分のワクチンを受け取ることになった。
北朝鮮の平壌歯科衛生用品工場で防疫作業が行われている。平壌 朝鮮中央通信=聯合ニュース。
北朝鮮の平壌歯科衛生用品工場で防疫作業が行われている。平壌 朝鮮中央通信=聯合ニュース。

●アストラゼネカ社製のワクチン

北朝鮮が今年上半期に『COVAXファシリティ』を通じ、200万回分の新型コロナワクチンの供給を受けることが分かった。

『COVAXファシリティ』とは、昨年4月に「世界保健機構(WHO)」や「世界ワクチン免疫連合(以下、GAVI)」、「感染病革新連合(CEPI)」が中心となって構築した、新型コロナウイルスのワクチンを全世界に公正に供給するためのメカニズムだ。

同組織は3日、初の新型コロナワクチン配分計画を発表した。これによると、上半期に145か国を対象に約3億3700万回分のワクチンを配分する。これは、該当国家全体の人口の約3.3%にあたる。

北朝鮮が受け取るのは、インドのセラム・インスティチュート社が生産するアストラゼネカ−オックスフォードワクチンで、正確には199万2千回分となる。北朝鮮の人口は2008年の統計で2405万人だ。

米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、北朝鮮がGAVIに対し、新型コロナウイルス感染症のワクチンを受け取るための申請書を提出したと伝えた。

先進国が供与した資金で開発途上国にワクチンを供給する「COVAX AMC(先購買公約メカニズム)」の対象となる92の低所得国家に、北朝鮮も含まれているためだ。今回はこの制度での供給となる。

先日、オックスフォード大学が発表した論文によると、昨年12月に英国とブラジル、南アフリカ共和国で行われた18歳から55歳までの7000人を対象とした臨床試験において、アストラゼネカワクチン1回の接種で、90日まで76%の水準でウイルスから保護する効果があったという。さらに、12週後に2回目の接種を行うことで、82.4%までこの数値は上昇する。

北朝鮮のワクチン事情については、昨年12月に日本メディアがロシア製のワクチンを輸入したと伝える一方、米国の民間研究所が日本政府の当局者を引用し昨年11月に中国製のワクチンを金正恩委員長をはじめとする高官が接種したと伝えたが、実情は明らかになっていない。

今なお新型コロナウイルス感染者の存在を認めていない北朝鮮が、限られたワクチンをどう分配するのかも注目される。
 


関連記事