新型コロナウイルス感染症の流入および拡散を防ぐため、昨年1月から国境を封鎖し続けている北朝鮮。封鎖解除の見通しが立たない中、すでに多くの国の外交官が自国に帰国したが、この度、最後まで残っていた国連職員までもが北朝鮮を離れたことが分かった。

●現地スタッフとリモートで業務
19日(現地時間)、ステファン・ドゥジャリク国連事務総長報道官は定例会見の席で、「世界食糧計画(WFP)」の職員2人が北朝鮮を出国したことを明かした。報道陣の質問に答えたかたちだった。
同報道官はまた、「彼らはとても長いあいだ北朝鮮に滞在しており、家に戻る必要があった」と事情を説明しつつ、「国境封鎖により、彼らがすぐに北朝鮮に戻ることはできない」と述べた。
とはいえ、今回の帰国措置は国連事務所の閉鎖とは異なる。帰国した職員は封鎖が解除され次第、平壌に戻るとのことだ。
同報道官は現地の事情について、「北朝鮮にある私たち(国連)の事務室は依然として運営されており、北朝鮮住民のために国連の現地スタッフと遠隔(リモート)で働いている」と述べた。
その上で、「国連はCOVAX(新型コロナワクチンを共同で購入し分配する国際プロジェクト)キャンペーンを支援するために仕事をしており、これを通じ、職員が復帰する機会を得ると同時にその規模も大きくすることを願っている」と語った。
今月2日、「COVAX」は同プロジェクトにより今年5月まで北朝鮮に約170万回分の新型コロナワクチンが無償で供給されると発表している。アストラゼネカ社製のワクチンのため、約85万人が接種できることになる。
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