
●満場一致で通過
21日(現地時間)、米下院の外交委員会は、米国と朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の間での最優先の人道的な課題として、両国で離れて暮らす離散家族の再会行事を推進することを要求する内容の決議案と、関連する方案を満場一致で可決した。
韓国紙『アジア経済』によると決議案では、米政府が赤十字社や韓国政府と協力し、米朝間の離散家族が再会する試験的なプログラムに参加可能な離散家族を探すことを要求している。
また、関連法案では米国務省が米国内に住む離散家族について調査し、その結果を上下院の外交委員下院に提出するように定めている。
法案は、グレース・メン議員(民主党)とベン・テイラー議員(共和党)が代表となり発議し、
決議案は韓国系のヨン・キム議員(共和党)やカレン・バス(民主党、カリフォルニア)議員が発議した。
ヨン・キム議員は現在、下院外交委員会のアジア太平洋小委員会に所属している。一方、カレン・ベス議員は同委員会のアフリカ・世界保健・世界人権小委員長を務めている。
同紙によると、ヨン・キム議員はこの日の投票に先立ち「数千人の離散家族が北朝鮮に残してきた家族に会えるよう、法案の通過を望んでいる。彼らにはもう時間が残されていない」と語った。
この発言は朝鮮戦争勃発から70年が経ち、離散家族が高齢化している点を指摘したものだ。
同紙はまた、会議でのカレン・バス議員による「米朝は首脳会談など外交的な関与を行ったにもかかわらず、両国の離散家族再会のための公式な窓口を作ることに失敗した」、「この決議案を通じ、米国と北朝鮮の離散家族再会に向けた行動に移るべき」という発言を紹介している。
さらに同議員は「韓国政府が在米韓国人たちを、南北間の離散家族再会プログラムに含める方案を議論することができる」という意見も提示したという。
カレン・バス議員は19年5月、やはり韓国系のアンディ・キム(民主党)議員と共に、米朝離散家族再会を求める法案を発議したことがある。
この決議案は20年3月に下院を通過したが、議会の会期満了により上院での議決には至らなかった。法案成立には上下院を通過し、バイデン大統領の署名を経る必要がある。