
●「韓国の政治革命を始める」と明言
9日、与党・共に民主党の朴用鎭(パク・ヨンジン、50)議員が、来年3月9日に行われる次期大統領選への出馬を表明した。与野党を合わせ、出馬表明第一号となる。
朴議員は2016年から20年、20年から今まで二期にわたり国会議員を務めている。1971年生まれの同氏は、韓国で「97世代(90年代に大学に通った70年代生まれ)」と呼ばれる少壮派に分類される。
この日、国会で会見を開いた朴議員は「幸福な国家を作る、勇気のある若い大統領になる」と決意を表明した。また、「不公正と不平等に立ち向かう」とし、「国民と共に政治の世代交代を先導しながら、時代を交替させる」と述べた。
朴議員はさらに、「政治が変わらなければ世の中を変えることができない」としながら、「過去10年の間、古く無気力だった政治に責任のある人物、青年世代の失望と怒りに責任のある勢力では新たな時代を導けない」と、世代交代の必要性を強調した。
中でも、「過去10年」というキーワードは注目に値する。これは「ろうそくデモ」により史上初めて弾劾された大統領となった朴槿惠政権と、その後を継いだ与党の文在寅政権を合わせて批判するものだ。
同氏は韓国の月刊誌『新東亜』5月号のインタビューの中で、「(党内で)新しい人物が出てくる必要があるが、そのためにはこれまで主流だった勢力が一歩退く必要がある。そうして空間ができれば、自然と考えのある人物たちが前に出てくる」と、与党内の刷新を訴えていた
会見ではさらに、「金大中の『40代旗手論』以降、2度目の政治革命を、盧武鉉の突風以降、2度目の韓国政治の大波乱を約束する」と気を吐いた。
『40代旗手論』とは、1969年に当時の野党・新民党の金泳三(キム・ヨンサム)議員が1971年の大統領選に立候補することを表明する際に世代交代の必要性を訴え、与野党を相手に言及したものだ。
また、故盧武鉉元大統領を例に挙げたのは、2002年に党内予備選を勝ち抜く可能性が低いと見られていた廬氏が、市民の支持を受け逆転勝利したことにあやかるものと見られる。
朴議員はさらに「政治指導者たちは陣営論理と葛藤構造にはまり、社会の統合と未来の課題に言及できていない」とし、「旧時代の賢い末っ子ではなく、新時代のがっしりした長兄の役割を果たす。古い政治の枠を壊し、韓国の政治革命を始める先頭に立つ」と明かした。
朴議員はこの日の会見で、公約も発表した。青年層への住居支援を通じ不動産問題を解決するとしながら、持論である男女ともに40日から100日程度、徴兵により入隊する「男女平等服務制度」の導入を訴えた。
これは志願による募兵制を基本としながら、徴兵による男女の不平等を解決しようとする制度で、同議員が4月に発表して以来、韓国内で注目を集めている議論だ。
また、青年層の企業を支援するための規制緩和や、世界最大規模の国家運営ファンドを運用し、年利率7%以上の国民積立口座制度を作ると、公約を掲げた。
ソウル市内の名門・成均館大学出身の学生会長出身の同議員は、左派政党の民主労働党と進歩新党を経て、2012年に民主統合党(現・共に民主党)に入党した。